二度目の妊婦健診。前回の健診から4週間経っており、
心拍が確認できるのを楽しみにしていた。
ところが、心拍は確認されず、胎嚢(胎児の入った袋)は
5週ほどの大きさしかなかった。前回の健診では胎嚢が
二つはっきりと見えたのだが、今回は一つしか見えない。
医師には他にも見えていたようだが、形が崩れているのか、
私にはほとんど見えなかった。
胎児の心拍が確認されないというのはどういうことなのか、
自分の計算では妊娠13週なのに、5週の大きさしかない
のはどういうことなのか、全くわけが分からなかった。
内診が終わり、ため息をつくと、看護士さんが「大丈夫で
すか?」と声をかけてくれた。それで、これは胎児にとって
大変なことなのかも知れないと気づき、涙が出そうになった。
改めて医師から説明。心拍が確認されず、ほとんど大きくも
なっていないことから、今回は流産だと思われるとのこと。
「そうですか」と返答するなり涙がでる。
看護士さんがティッシュを渡し、肩を抱いてくれる。
流産の原因を聞いてみたところ、受精卵自体の問題であり、
何をしたから悪かったとか、何をしなかったから悪かったとか、
両親のほうの問題ではないと言われた。ただ、ここまでしか
大きくなれない受精卵だったのだそうだ。
全く表情を変えずに説明する若い女性医師の横顔を見ながら、
また涙をこぼす。肩に置かれた看護士さんの手が温かい。
もう一度内診で見ますか?と訊かれたので、未練がましいと
思いつつも、お願いした。私は2週間後くらいのつもりで返事
したのだが、医師は早いほうが良いと考えているらしく、
今週中にもう一度診ましょうとのこと。
病院のトイレで泣きながら夫にメール。
自分のせいではなく、受精卵の寿命がもともとそれだけしか
なかったという説明にいくぶん慰められはするが、やはり
待望の第二子だったので、涙が出る。
帰宅し、義父母と娘に会うと幾分元気になるが、やはり辛い。
義父母が帰った後、娘と遊んでいると、おなかにいる子に
思いがおよび、幾度も泣く。
せっかく宿ってくれたのに、抱いてもやれない。
心臓を動かすこともなく、袋だけの子だが、それでも我が子
なので可愛い。
大きくはなれない子だが、宿ってくれただけでもありがとうと
言いたい。
娘が寝た後、ネットで調べた。心拍も確認されず、大きくも
ならない私の赤ちゃんは「枯死卵」というらしい。この診断が
下ると、子宮内をきれいにする処置をするらしい。
自然に出てくるのを待つのだと思っていたから、ぞっとした。
赤ちゃんを無理に身体から掻き出すのだ。なぜこんなむごい
ことをしなければならないのかと、また泣いた。