アサッテの人
『文藝春秋』9月号掲載の諏訪哲史「アサッテの人」を読んだ。
芥川賞受賞作なので、あまり期待せずに読んだ。
予想通り、面白く無かった。
この作品の、文学としての手法がどれだ巧みなのか私には
分からないが、この作者の取っている手法は、私にとっては
ややこしく、分かりづらかった。読んでたいそう疲れた。
また、冒頭の部分が句点ばかりの続く長文で書かれている。
読みにくいし分かりにくい。どういうつもりで書いたのかと腹が
立つほど。
同じ長文でも、宮尾登美子や中勘助のはリズムがあって
読みやすく、分かりやすい。芥川賞っていったい何なんだ。
内容は、大雑把に言えば、奇癖を持つ叔父さんの話。
私も大学生くらいの頃、この叔父さんと同じ癖があったので
気持ちや意味は分かるが、だから何なの?という気がする。
選評を読んでみたところ、石原慎太郎氏の
作者の持って回った技法は私には不明晰でわずらわしい
ものでしかなかった
という評にもっとも共感した。
小説の価値って何なんだろうと、芥川賞受賞作品を読むたびに
困惑する。
by jiubao
| 2007-09-02 15:51
| 読書記録