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ジェフリー・アーチャー


J・アーチャー『ケインとアベル』の帯に「この本を読まないのは
人生において大損だ」的なことを書いていたので、読んでみた。

アメリカの銀行家の息子、ウイリアム・ケイン と ポーランドの
貧乏猟師の息子として育った グワデク・コスキェヴィチ
(後にアベル・ロフノフスキーと改名)の二人の生涯を描いた
ものがたり。
一見なんの接点も無い二人だが、下巻でグワデクが渡米し
てから、一気に物語りは展開していく。
上巻で描かれる渡米するまでのグワデクの生涯は波乱に
満ちており、あまりのむごさに涙することも多い。

感動したので、『百万ドルをとり返せ!』 『新版 大統領に
知らせますか』
『無罪と無実の間』 も読んだ。

もっとも楽しめたのは、処女作『百万ドルをとり返せ!』。
原題は『Not a Penny Less, Not a Penny More』。
詐欺に遭ったことを機に、全く見ず知らずの4人が協力して
被害額100万ドルを取り返そうとするものがたり。
その際の合言葉が「Not a Penny Less, Not a Penny More」
1ペニーの多寡もなく(100万ドルをとり返せ)なのである。

4人の内訳は、アメリカ人の大学教授、フランス人の画商、
イギリス人の医者、イギリス貴族であり、それぞれに個性が
際立っている。
この4人がそれぞれに知恵を絞り、計画を練って実行に移し、
お金を取り戻していく様子にはハラハラドキドキさせられる。
読了した時は「もう続きは無いのか・・・」と寂しかった。

『新版 大統領に知らせますか』 は、シャレが多いようなので、
原文で読めたほうが面白いだろう。

『無罪と無実の間』 もそれなりに楽しめたが、『百万ドルを
とり返せ』 の後では印象が薄かった。

作者である ジェフリー・アーチャー は、もとイギリスの国会
議員であったが、詐欺に遭い100万ドルを失ったらしい。
地位も名誉も失い無一文に成り果てた時、彼が生活の糧を
得るために書いたのが『百万ドルをとり返せ』 だという。
自分の経験をもとに書いているのだから、面白いはずである。