2005年 07月 17日 ( 1 )


最近寝苦しく、読書がはかどる。
『李欧』につづき、遠藤周作『海と毒薬』 を読んだ。

戦争末期に行われた米軍捕虜の生体解剖事件を題材にした小説。
生体解剖に関わった医大生が、後年、普通の町医者として生活していた
が、ひょんなことから患者に過去を知られるというところから話が始まる。
話は一挙に過去にさかのぼり、その事件に関わるに至った人々の生活
を描いていく。

それぞれがそれぞれの経験をし、終に生体解剖に参加するに至るのだが、
読んでいてなんとも切ない。
人間の内面の汚さ、脆さ、危うさ、そして少しの美しさが精緻に描かれて
おり、深く考えさせられる小説だ。

昔読んだ 『沈黙』 を読み直したくなった。
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