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モーリス・ルブラン『813』・『続813』


本屋で、外国の小説で面白そうなのを探していたら、
『813』が目に留まった。
あの怪盗ルパンシリーズらしい。

ダイヤモンド王、ケッセルバック男爵の秘密をめぐり、
ルパンとその敵手とルパンを追いかける保安課長の
三つ巴が展開されるのだが、息もつかせぬ展開に
ハラハラドキドキし、最後はあっとどきもを抜かれる。

だが、話が途中で終わってしまった。肝心の謎解きが
されていない。どういうことかと思ったら、『続813』
いうのがあって、謎解きはそちらに描かれているらしい。

で、そちらも読んだ。これまた話がどんどんと壮大に
なっていくのでつい引き込まれる、そして、ルパンの戦い
は意外な結末を迎える。

なんだか他のルパンシリーズも読みたくなった。


ところで、私が小学生の頃、家に小学生向けのルパン
全集があり、すべて読んだはずなのだが、内容を全然
思い出せない。
『続813』の途中で、「あっ、これ知っとるわ」とかすかに
思ったが、結末はまったく覚えていなかった。

全集を買ってくれた両親には申し訳がなく、また、大変な
時間をかけて全集を読破したであろう小学生の私にも
申し訳がない気持ちになった。
そして、私はひょっとして時間を大変浪費し、損な人生を
送っているのではないかという疑念が湧いたが、それは
気づかなかったことにして、ルパンシリーズはやっぱりもう
一度文庫で読んでおこうと思う。