背中の勲章


吉村昭氏が死去したというので、買い置きして
あった『背中の勲章』(1982新潮文庫)を読んだ。

第二次世界大戦で捕虜となった中村末吉が帰国する
までを描いた作品。
「生きて虜囚の辱めを受けるな」との教えを叩き込まれた
中村は幾度となく死のうとする。 だが死ねず、アメリカで
PW(Prisoner of War)の文字を背負い、屈辱を味わ
いながらも生き続け、最後は帰国する。

日本の必勝を信じて己を鼓舞し、屈辱にまみれながらも
なお生きる中村末吉の姿には何度も涙する。
また、硬質で無駄の一切無い文章がすばらしい。

終戦の日が間近なこともあり、思うところの多い作品だった。
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