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せっけんつるりん


今井弓子『せっけんつるりん』(岩崎書店 1978)は、かなりの
問題作である。

男の子がおじいさんと入浴中、石鹸がつるりと滑って屋外に
出てしまうところから話は始まる。
男の子はあろうことか全裸で町中を走り回り、つるりつるりと
滑り続ける石鹸を追いかける。警官に注意され、道行く婦人
を驚かせたりしながら全裸の少年は石鹸を追って走り続ける。
男の子がしっかりと石鹸を捕まえるころには、石鹸は磨耗して
ほとんどなくなってしまっており、帰宅して母に新しい石鹸を
おろしてもらっておしまい。

男の子が走り回る街の様子が非常にレトロで、この絵本の
描かれた時代を感じさせる。
風呂場の様子も古めかしく(といってもウチの風呂もこんな
感じだが)、細部で懐かしさを感じる一冊である。
by jiubao | 2006-07-10 22:59 | 絵本